みんな違うからいろいろあるけど、だからこそ、わくわくする。
一緒に化学反応、起こしましょ?
久々の生活保護の記事です。まだ危機は去っていません。安心してはいけません。みなさん忘れないでくださいね。
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生活保護基準下げ容認に不安 『低所得者』比較改めて
2008年3月5日付け 東京新聞夕刊
貧困や所得格差の広がりに伴い、毎年増え続ける生活保護受給者。昨秋、厚生労働省の検討会が支給額の基になる保護基準の引き下げを容認する報告をまとめたため、受給者からは「いつか削られるかもしれない」と不安の声が消えない。生活保護世帯より消費額が少ない低所得者世帯の急激な増加が、引き下げの容認につながった。弱者に弱者の足を引っ張らせるような決め方は根本的に見直すべきだ。 (菊谷隆文)
「お風呂は三日に一度入るのがやっとです」
月十一万二千七百円の生活保護を受ける千葉市の大山静子さん(83)=仮名=は、八年前から老朽化したアパートに一人で暮らす。若い時に夫と死別し、東京都内の料亭で働きながら女手一つで息子を育てた。年金保険料をほとんど納められなかったため、年金はない。家賃と介護保険料を支払って残る約七万五千円が一カ月の生活費だ。
部屋は六畳二間。茶の間の電灯はつけず寝室で一日を過ごす。風呂や電気の節約で、光熱水費は一万円弱に抑える。冷蔵庫や洗濯機などの家電製品は中古品ばかりだ。
食費はもっと厳しい。二〇〇六年度から月額約一万八千円あった生活保護の老齢加算が廃止されたことが大きかった。それ以後は一日二食だ。それでも「おかずがなかなか買えなくてね」。朝食はパンやカップめん。夕食はご飯と缶詰でしのぎ、月三万円以内に切り詰めている。
残りは、山形県に住む妹との電話代などに充て、不意の出費に備えて二万円貯金できればいい方だ。「(施設介護の)デイサービスも利用したいけど、食費が一日千円かかるのでとても無理」と寂しそうに話す。千円の月謝で参加できるカラオケ教室が唯一の楽しみだという。
老齢加算廃止後の生活実態を調べるため、全日本民主医療機関連合会(民医連)は昨年夏、七十歳以上の生活保護受給者・世帯(四百一サンプル)を対象にアンケートを実施。不足した費用として最も多かったのは食費で52%に達した。入浴は週三回以下が72%、冠婚葬祭に全く参加しない世帯も51%に上った。
「老齢加算の廃止は『長生きは悪』と言っているようなもの。今の高齢受給者は生活というより『生存しているだけ』というのが現実だ。これで生活保護基準が引き下がるなんて、生きることが地獄になってしまう」
民医連のケアマネジャー斎藤江美子さんはそう訴える。
厚労省の検討会が生活保護基準の引き下げを容認したのは、初めて低所得者世帯と保護世帯の消費額を比較し、「保護世帯の方が多い」と判断したからだ。従来は一般勤労世帯の消費水準の六割を目安にしていた。
特定非営利活動法人(NPO法人)の自立生活サポートセンター「もやい」の湯浅誠事務局長は「貧困に陥った人たちは生活保護の有無にかかわらず、消費をぎりぎりと切り詰めている。そうした実態を無視して、弱者が弱者をたたくようにし向ける検討会のやり方は卑劣だ」と痛烈に批判している。
<生活保護と老齢加算> 生活保護受給者数は最も少なかった1995年度の88万人から毎年増加し、2006年度は151万人に達した。70歳以上の受給者にあった老齢加算(月額1万5430-1万7930円)は、財政再建を目指す政府の「骨太の方針」で、04年度から段階的に減額され、06年度に廃止された。
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生活保護基準下げ容認に不安 『低所得者』比較改めて
2008年3月5日付け 東京新聞夕刊
貧困や所得格差の広がりに伴い、毎年増え続ける生活保護受給者。昨秋、厚生労働省の検討会が支給額の基になる保護基準の引き下げを容認する報告をまとめたため、受給者からは「いつか削られるかもしれない」と不安の声が消えない。生活保護世帯より消費額が少ない低所得者世帯の急激な増加が、引き下げの容認につながった。弱者に弱者の足を引っ張らせるような決め方は根本的に見直すべきだ。 (菊谷隆文)
「お風呂は三日に一度入るのがやっとです」
月十一万二千七百円の生活保護を受ける千葉市の大山静子さん(83)=仮名=は、八年前から老朽化したアパートに一人で暮らす。若い時に夫と死別し、東京都内の料亭で働きながら女手一つで息子を育てた。年金保険料をほとんど納められなかったため、年金はない。家賃と介護保険料を支払って残る約七万五千円が一カ月の生活費だ。
部屋は六畳二間。茶の間の電灯はつけず寝室で一日を過ごす。風呂や電気の節約で、光熱水費は一万円弱に抑える。冷蔵庫や洗濯機などの家電製品は中古品ばかりだ。
食費はもっと厳しい。二〇〇六年度から月額約一万八千円あった生活保護の老齢加算が廃止されたことが大きかった。それ以後は一日二食だ。それでも「おかずがなかなか買えなくてね」。朝食はパンやカップめん。夕食はご飯と缶詰でしのぎ、月三万円以内に切り詰めている。
残りは、山形県に住む妹との電話代などに充て、不意の出費に備えて二万円貯金できればいい方だ。「(施設介護の)デイサービスも利用したいけど、食費が一日千円かかるのでとても無理」と寂しそうに話す。千円の月謝で参加できるカラオケ教室が唯一の楽しみだという。
老齢加算廃止後の生活実態を調べるため、全日本民主医療機関連合会(民医連)は昨年夏、七十歳以上の生活保護受給者・世帯(四百一サンプル)を対象にアンケートを実施。不足した費用として最も多かったのは食費で52%に達した。入浴は週三回以下が72%、冠婚葬祭に全く参加しない世帯も51%に上った。
「老齢加算の廃止は『長生きは悪』と言っているようなもの。今の高齢受給者は生活というより『生存しているだけ』というのが現実だ。これで生活保護基準が引き下がるなんて、生きることが地獄になってしまう」
民医連のケアマネジャー斎藤江美子さんはそう訴える。
厚労省の検討会が生活保護基準の引き下げを容認したのは、初めて低所得者世帯と保護世帯の消費額を比較し、「保護世帯の方が多い」と判断したからだ。従来は一般勤労世帯の消費水準の六割を目安にしていた。
特定非営利活動法人(NPO法人)の自立生活サポートセンター「もやい」の湯浅誠事務局長は「貧困に陥った人たちは生活保護の有無にかかわらず、消費をぎりぎりと切り詰めている。そうした実態を無視して、弱者が弱者をたたくようにし向ける検討会のやり方は卑劣だ」と痛烈に批判している。
<生活保護と老齢加算> 生活保護受給者数は最も少なかった1995年度の88万人から毎年増加し、2006年度は151万人に達した。70歳以上の受給者にあった老齢加算(月額1万5430-1万7930円)は、財政再建を目指す政府の「骨太の方針」で、04年度から段階的に減額され、06年度に廃止された。
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